『ハッカーと画家』読了
2007/03/27
Paul Graham氏のエッセイ集『ハッカーと画家』を読み終えました。失礼ながら、ついこの間まで何者なのか知りませんでした。Viaweb という、Yahoo! Store の元になったベンチャーを創った Lisp ハッカーでした。Viaweb も一部 Lisp で書かれていたそうです。すげー。
大学の講義で関数型言語も習った覚えがありますが、Lisp ではなく ML でした。しかも使わないからほとんど忘れてしまっています。今にしてみると、全くもったいない。ちょっと Lisp を勉強したくなってしまいました。
で、『ハッカーと画家』ですが、とても面白く刺激的でした。 これに刺激されてベンチャーを企業しようとする人もいっぱいいるんじゃないのか、と思うくらいに。
印象に残っている内容としては、
- 金じゃなくて富を生み出せ。そのためにはベンチャーだ。
- プログラミング言語は平等ではない。やっぱり Lisp だ。
- 面白いことをやれ!
というような感じでしょうか。多分、すごく偏っていますが。
ベンチャーについて。確かに世の中にインパクトをあたえるのはいつだってベンチャー企業だし、Microsoft や Apple だってベンチャー(だった)。読んでいて勇気づけられたし、ちょっと起業してみたくなっちゃいました。
プログラミング言語について。Paulさんいわく、いけてるプログラムは素早く作って動かして、修正を繰り返していくものだから、プログラミング言語は動的型付け言語であるべきだし、マクロ機能を持つべきらしい。だから Java なんて使ってられねーぜ、と。
型付けに関しては、大学で Pascal 教育を受けてこの世界に入った hara は「やっぱ静的型付けの方が良いに違いない」と思い続けてきました。弊社でもそうですが、企業が Java を採用するのだって、静的型付けで型を縛っておけば多人数でプログラミングして持ち寄る場合に、「型が同じはずだ」という事実が精神安定剤になるからじゃないのか。Paulさんに言わせれば、静的型付けで縛らなきゃできあがらないようなものは良いプログラムにはなりえないということかもしれないけど。
まとめると、とても勇気づけられたし、もっといいものを作りたいと思った。というお話です。
最後に。Paul Graham氏のエッセイは基本的に彼のサイトで公開されているので、日本語に翻訳して掲載しているサイトもあります。『ハッカーと画家』に収録されているエッセイも、実は読むことが出来ます。他のエッセイも時間があれば読んでみたいんだけど、やっぱり書籍の方が読みやすいですね。本ってすごい。