WordPress MU と FeedWordPress で社内ブログポータルを作る
2007/06/12
最近、会社の部署内ブログのシステムを刷新したのですが、そこで得た知見をまとめてみます。
十数人の部署で、それぞれが個別にWordPressをインストールしてブログをたてていたのを、ひとつのシステムに統合しました。目的は
- ユーザ・ブログの統合管理
- ブログをまたいだカテゴリ検索・全文検索
- コメント状況の把握
などです。これらの目的を満たす他のブログソフトウェアもあったのですが、メンバーがWordPressに慣れてしまっていたため、WordPress MUを採用しました。
WordPress MUは、WordPressのマルチユーザ版で、ブログサービスプロバイダ向けにカスタマイズされたWordPressです。WordPress.comもWordPress MUで構築されています。通常のWordPressに、複数のブログを構築する機能が追加されています。
WordPress MUに移行すればユーザとブログの統合は可能ですが、残念ながらWordPress MUにはブログをまたいだカテゴリ検索・全文検索の機能が用意されていません。しかし、公式サイトのフォーラムでもこれらの実現方法に関する議論は活発に行われており、色々頑張ればそれらしいことが出来そうだとわかりました。
そこで今回はフォーラムで提案されていた方法をとってみました。この方法では、FeedWordPressというWordPressのプラグインを用います。FeedWordPressは、他のサイトのRSSフィードを取り込んで、フィードの内容をWordPressの記事として公開することができるプラグインです。このプラグインを使えば、全メンバーのブログをFeedWordPressでひとつのブログ(まとめブログ)に集めておき、検索するときにはまとめブログを検索するという方法で実現できます。
FeedWordPressは、集めてきた記事のパーマリンクを、元になった記事に向けることができます。つまり、まとめブログを検索し、検索結果から見たい記事を選んでクリックすると、まとめブログ内の記事ではなく、元のメンバーのブログ内の記事が表示されます。これで、ブログをまたいだカテゴリ検索・全文検索も実現できます。
そこで、以下のようなシステムを構築しました。
- まず、WordPress MUをインストールし、全メンバーのブログを構築する。
- 次に、通常のWordPressを別途インストールし、そこにFeedWordPressをインストールする。これは、FeedWordPressがWordPress MUでは動作しないらしい、との情報からです。そして、FeedWordPressの機能で、WordPress MUに立てられた全メンバーのブログのRSSフィードを記事として取り込みます。取り込みは cron を用いて定期的に行います。
- 最後に、WordPress MUとフィードを取り込んだ通常のWordPressが同一サイトに見えるよう、テーマを調整して相互にリンクを張り合いました。
以上のように、
- WordPress MU
- WordPress
- FeedWordPress
の3つを組み合わせれば、
- ユーザ・ブログの統合管理
- ブログをまたいだカテゴリ検索・全文検索
を実現する社内ブログポータルのようなものができました。
当初の目的のひとつである
- コメント状況の把握
は、最近コメントがつけられて盛り上がっている記事をリスト表示するようなことがしたいのですが、方法は現在調査中です。ひとまずは単にコメントRSSを表示するだけにしています。