しゃべれどもしゃべれども

2007/08/11

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しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子
新潮社 2000-05
売り上げランキング : 1557

by G-Tools , 2007/08/11

実は読書好きです。なので、これからは読んだ本のことをもっとブログに書いていこうと思います。読み捨て良くない。記録、記録。ブログのカテゴリも[増やしてみた](/category/book/)。

2007 年の[本屋大賞](http://www.hontai.jp/)は佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』が受賞。書店で平積みにされているのを目にした方も多いと思います。本屋大賞というのは、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」で、受賞作は一般大衆である僕なんかにすれば、単純に面白いわけです。あんまり読んでないけど。『一瞬の風になれ』は吉川英治文学新人賞も受賞してますね。そりゃもう、面白いんだろう。

で、『一瞬の風になれ』を読もう読もうとは思っていたのですが、まずは佐藤多佳子さんの別の本を先に読んでからにしようと思ってしまうのが僕のひねくれたところ。で、ちょっと前に読んだのがこれ、『しゃべれどもしゃべれども』。ちょうど今年の 5 月に国分太一さん主演で映画化された作品です。そりゃもう、面白いんだろう。

内容は、若手の落語家が話し方教室を開くというもの。生徒は、しゃべるのが苦手な男女 4 人。テニスのコーチ、OL、小学生、元プロ野球選手。みんなしゃべるのが苦手で、対人関係に問題を抱えている。実際、しゃべるのが得意な人なんてそんなにいないわけで、まあごく普通のことですよね。

話し方教室といっても、落語家なので結局落語を教えることになるわけですが、そもそも落語をテーマにするってすごい。落語家なんて日本に 1000 人もいないわけです。その落語家を主人公にしちゃって、でも別に違和感もないし、対人関係の問題なんて当たり前のことだから、ごく普通に感情移入もできてしまう。特に大きな事件があるわけでもないのに、すごく引き込まれる。文章力なんでしょうね。文章は一人称なんだけど、すごく自然で素直。

普通じゃない設定で、でもテーマはごく普通で、でも普通じゃなく面白い。すごく読みやすいので、活字慣れしていない人にでもおすすめです。映画も見てみたくなりましたよ。

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