会社に au から優待キャンペーンの案内が届いていたり、8 月 31 日まで Natsu 割と銘打って安かったり、au one メールが使いたかったり、色々理由はあるわけですが携帯電話を au にしました。MNP 初体験です。

ドコモから au に MNP で移行するには、以下の手順を踏みます。

  1. 解約・移行手続きの必要なサービスがあれば、よきにはからう(特におサイフケータイ系)
  2. ドコモに依頼して MNP 予約番号を発行してもらう
  3. メールアドレスを予約する
  4. au 取扱店で au と契約する

Edy やモバイル Suica などのおサイフケータイのサービスを利用している場合、MNP でキャリア移行してしまうと旧機種が即座に使えなくなり、バリューの移し替えができなくなってしまうので、事前に解約するなり移行処理をしておくこと。

MNP 予約番号は電話かインターネット(PC サイトまたは iモード)で発行してもらえます。僕は PC サイト(My Docomo)で発行してもらいました。

au は契約前に新しいメールアドレスを予約できるサービスを提供しているので、今回はこれを使って予約しました。

au 取扱店で MNP 予約番号を見せて契約すると完了。このとき au ショップで契約すると、「au にしましたサポート」を利用でき、便利です。僕もお知らせメール機能で新しいメールアドレスを一斉にお知らせしました。

機種は W52P にしました。都内の au ショップで 0 円でした。au の端末はプラットフォーム整備が進んで端末調達価格が安いとの評判通り、量販店でなくとも夏モデルが新規 0 円。本当に安い。

69sixty nine

2007/08/18

photo

69sixty nine (文春文庫 む 11-4)
村上 龍
文藝春秋 2007-08

by G-Tools , 2007/08/18

書店へ行くと新刊コーナーに並んでいたので、何となく購入しました。一緒に並んでいた『半島を出よ』とどちらを買うか迷ったのですが、他に色々買ったので、安くて薄いこちらを買いました。

これは、村上龍さんが自分の高校時代を描いた小説です。数年前に映画化されていて、映画は見た覚えがあったので、何となくあらすじは覚えていました。今回読んでみて、映画が原作の途中までで終わっていることを初めて知りました。また、純粋におかしくて笑える一冊でした。

全編通じて、「人生楽しんだ者勝ち」という考えに満ちていて、自分と比較して焦りを覚えてしまいました。村上龍さんはあとがきで「若者の特権は「時間という資源」だけだ」と書いています。自分はまだ若者だと思っているけど、与えられた時間をもっと全力で楽しんでやらなきゃダメだな。

日本通信、携帯メールポータビリティを実現する“tangomail.jp”を発表 – ITmedia +D モバイル

日本通信が「携帯メール・ポータビリティ」を提供すると発表しています。つまり、携帯電話キャリアを乗り換えても使い続けることができるメールサービスを提供するということ。これまでも、この手のサービスはいくつかありましたが、

  • Web メールを提供する
  • キャリアのアドレス(@docomo.ne.jp / @ezweb.ne.jp / @softbank.ne.jp)へ転送する転送アドレスを提供する

のどちらかでした。

今回日本通信の発表した方法は、これとは別の方法で、キャリアのパケット交換機と日本無線のメールサーバを直接つなげてしまうというもの。MVNO キャリアの日本無線だからこそできる方法です。

KDDI によるau one メールの提供など、最近携帯メール関連のニュースが目につくことが多かったので、携帯メールのポータビリティについて、少し考えてみました。

そもそもメールアドレスポータビリティは必要なのか

個人的には、メールアドレスが変わってしまうことにさほどの抵抗はありません。若年層のユーザはかなり頻繁にメールアドレスを変更するというデータをみた覚えもあるので、僕だけではないでしょう。しかし、だからといってポータビリティが不要だとは思いません。ポータブルであるに越したことはないです。

ただし、アドレス自体が不変である必要はないと思います。単に、アドレスを変更した後もメールを受信できればいいだけです。ユーザがキャリアを変更した場合、転出側のキャリアは旧アドレスから新アドレスにメールを転送するくらいのことはすべきではないのか。

ドコモと au は、お互いの転出したユーザに電話がかかってくると、「この人の電話番号は〜に変わりました」と音声ガイドを流してくれるサービスも提供しています。同様に、転出者に対するメールの転送サービスも当然提供すべきであるはずです。

携帯電話のメールアドレスは単なる宛先ではない

携帯電話のメールアドレスは PC よりも特殊で、メールアドレスがユーザの契約証明として使われることがあります。例えば、携帯サイトにユーザ登録する際、利用出来るメールアドレスは、キャリアの提供するアドレス(xyz@docomo.ne.jp や xyz@ezweb.ne.jp や xyz@softbank.jp)に限定されていることが多いです。これは、メールアドレスを限定することで、ユーザが携帯電話の契約者であることを保証するためです。ほかにも、迷惑メール対策として、キャリアの提供するアドレス以外からのメールは受信拒否される可能性があります。

このように、携帯電話のメールアドレスは、単なる宛先以上の意味がありすぎて、単に誰かが全キャリアで使えるメールアドレスを提供すればよいというものではないと思います。携帯電話の世界は、キャリアの提供するメールアドレスに依存しすぎています。

つまり

上にも書いたように、個人的にはメールアドレスなんか変わってしまってもいいけど、せめて転送くらいしてくれよと思います。最終的には、使い勝手の良いインタフェースを備えたウェブメールが携帯メールを置き換えてくれることを期待しています。そのほうが安全だし、どこでも読めるし。その意味では、au one メールの将来には非常に期待するところです。

映画篇

2007/08/14

photo

映画篇
金城 一紀
集英社 2007-07

by G-Tools , 2007/08/14

最近、本の話ばかり続きますが、今日読んだばかりの一冊。『GO』で直木賞を受賞した金城一紀さんの最新作『映画篇』です。帰省の途上で読みました。

金城さんは好きな作家の一人です。多分そういうタイプの人間には見えないと思うのですが、僕は青春小説が割と好きなほうなので、ゾンビーズシリーズや『GO』を読んで以来、金城さんはお気に入りです。

で、『映画篇』。5 本の中編から構成された連作集で、それぞれテーマとなる 5 本の有名映画と同じタイトルが与えられています。残念ながら、僕はあまり映画を見ないので、テーマとなっている映画をほとんど見たことがない。知らなくても全然楽しめたし、面白かったのですが、知っていれば、もっと楽しめると思うのです。

ある中編のキャラが他の話のちょい役で出て来たりと、微妙にうまくリンクさせています。最後の 5 本目の中編では、『ローマの休日』で他の全部の中編を結びつけているようなところがあって、一番好きです。あと、帯に「現実よ、物語の力にひれ伏せ」と書いてあるのですが、最も良くそれを表現している 1 本目も好きです。

友情も、青春も、家族愛も、全部まとめて書いてあります。『GO』やゾンビーズシリーズとは作風の違う作品だし、スカッとしたりもどかしくなったり熱くなったり、そういうのではないけど、読んでいて穏やかな気分になれました。どちらかというと、僕はこういう話のほうが好きです。

photo

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
佐藤 多佳子
講談社 2006-10-25

by G-Tools , 2007/08/14

三部作の三つ目。最後です。三年のインターハイ関東予選までのお話。三作目では、もう新二は走る、走る、走る。読者の期待に応えて、速く、速く、速く。

三年の新二や連は、最初の頃からするともうほとんど別人のように成長していて、いつの間にこんなに成長したんだろう、と思いつつ、読んでいて違和感もない。本当に成長を描くのが巧いんだと思います。

新二も連も三年なので最後のインターハイで、一走一走が「これで最後かもしれない」わけで、その緊迫感がすごい。特に 4 継と呼ばれる 400 M リレーなどは、どこか一つのバトンミスですべて終わってしまうので、もう読んでる方も心配でならない。結局予選を通過できない種目で泣いて悔しがってる場面では、僕も結構ウルっとしてしまいました。

三冊続けて読んでみて、この第三部は本当にノンストップでした。僕が、書店で買ったその足にデニーズで読破してしまったという事情もありますが、一気に読めたなあ、という印象。面白い本の残りページが少なくなってくると感じる、あの「もうちょっと続き読ませろー」という感覚も久しぶりに強かったです。

そんなわけで、以上三冊で読了。やっぱり話題になるだけあって、最高に面白かった。「2007 年最高の〜」と帯に書いてあったのも、あながち誇張ではないのかも。

photo

一瞬の風になれ 第二部
佐藤 多佳子
講談社 2006-09-22
売り上げランキング : 1030

by G-Tools , 2007/08/13

三部作の第二部。一年の冬から二年の秋までのお話。

第二部で、新二が部長になり、正式ではないにしろ 100M を 10 秒台で走る。「お前はいつか 100M を 10 秒台で走れる」と言われていた新二がついに、というところで全編通じて一番大きな事件が起こり、立ち止まってしまう。

第二部でも、新二は大きな結果は出さないのですが、成長と期待を感じさせられます。期待しすぎて、「え?まだ結果出ないの?」ともどかしくなってしまうくらいに。そこで事件。

当然、いいことずくめじゃ面白くならないし、これまで順調に進んで来た分、「ああやっぱり」という展開ではあるのですが、そんなことどうでもいい。面白いんだから。

新二が速くなればなるほど、僕の読むスピードも速くなってきて、第二部は第一部の半分くらいの時間で読み終わってしまいました。で、次が最後の第三部。

photo

一瞬の風になれ 第一部 –イチニツイテ–
佐藤 多佳子
講談社 2006-08-26
売り上げランキング : 2728

by G-Tools , 2007/08/11

『しゃべれどもしゃべれども』を読み終えたので、本丸の『一瞬の風になれ』に手を出しました。うん、売れるのわかる。読みやすい。面白い。

僕は、基本的に小説は通勤の電車の中でしか読まないのですが、たまに面白い本に当たると、流れで読み続けてしまいます。帰りの電車で読んで、定食屋で晩ご飯食べながら読んで、家に帰って部屋でも読みます。『一瞬の風になれ』は、見事にこの流れに乗りました。こうなると、一冊を一日で読んでしまう。

第一部とあるように、これは三冊あるうちの一冊目。僕は、分冊になってる本をまとめ買いしないタイプなので、一冊読んでは次を買う、を繰り返すわけです。結局、一冊を一日で読んでしまったので、次の日読む分も買っておかないといけないのに、朝の通勤ルートに書店はないし、夜は閉店してるしで、なかなか続きが買えなくて、すごく不機嫌になりました。それくらい面白い。

内容は、中学までサッカー漬けの生活を送っていた主人公の新二が、高校で陸上の短距離を始めるというお話。親友の連は天才的な短距離ランナーで、しばらく陸上をやめていたものの、二人で陸上部に入部。サッカーでは目の出なかった新二が、陸上で才能を開花させていくわけです。

『しゃべれどもしゃべれども』と同じく、文章は新二の一人称視点なのですが、高校生なのでかなり砕けた表現です。読み始めたときにはすごく違和感があったのですが、すぐになれました。僕はもう高校を卒業してから10年近く経つし、高校自体にどんなことを考えていたのか余り覚えてもないけど、40代後半のしかも女性の佐藤多佳子さんが、男子高校生の視点で文章を書けて、しかも面白いのって、相当にすごい。

第一部では高校入学から一年の秋までが描かれています。まだ新二も初心者なので、大した成果は残していません。とはいえ、才能はあるものだから、そこそこできちゃう。でも経験不足でいざとなると失敗する。その描き方がまた巧くて、読者である僕は、「ああ、こいつこれからどんどん速くなるんだな」と期待させられる。「がんばれ、がんばれ」と応援してしまう。

さすがに僕はもう高校生ではないから、自分に重ねることはできません。でも逆に、「高校生がこれだけがんばってるんだから、俺もっとやんなきゃ」と思わされてしまう。ただ「面白い」だけで終わらない。いいね。

photo

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子
新潮社 2000-05
売り上げランキング : 1557

by G-Tools , 2007/08/11

実は読書好きです。なので、これからは読んだ本のことをもっとブログに書いていこうと思います。読み捨て良くない。記録、記録。ブログのカテゴリも[増やしてみた](/category/book/)。

2007 年の[本屋大賞](http://www.hontai.jp/)は佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』が受賞。書店で平積みにされているのを目にした方も多いと思います。本屋大賞というのは、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」で、受賞作は一般大衆である僕なんかにすれば、単純に面白いわけです。あんまり読んでないけど。『一瞬の風になれ』は吉川英治文学新人賞も受賞してますね。そりゃもう、面白いんだろう。

で、『一瞬の風になれ』を読もう読もうとは思っていたのですが、まずは佐藤多佳子さんの別の本を先に読んでからにしようと思ってしまうのが僕のひねくれたところ。で、ちょっと前に読んだのがこれ、『しゃべれどもしゃべれども』。ちょうど今年の 5 月に国分太一さん主演で映画化された作品です。そりゃもう、面白いんだろう。

内容は、若手の落語家が話し方教室を開くというもの。生徒は、しゃべるのが苦手な男女 4 人。テニスのコーチ、OL、小学生、元プロ野球選手。みんなしゃべるのが苦手で、対人関係に問題を抱えている。実際、しゃべるのが得意な人なんてそんなにいないわけで、まあごく普通のことですよね。

話し方教室といっても、落語家なので結局落語を教えることになるわけですが、そもそも落語をテーマにするってすごい。落語家なんて日本に 1000 人もいないわけです。その落語家を主人公にしちゃって、でも別に違和感もないし、対人関係の問題なんて当たり前のことだから、ごく普通に感情移入もできてしまう。特に大きな事件があるわけでもないのに、すごく引き込まれる。文章力なんでしょうね。文章は一人称なんだけど、すごく自然で素直。

普通じゃない設定で、でもテーマはごく普通で、でも普通じゃなく面白い。すごく読みやすいので、活字慣れしていない人にでもおすすめです。映画も見てみたくなりましたよ。