一瞬の風になれ 第三部 ドン
2007/08/14
三部作の三つ目。最後です。三年のインターハイ関東予選までのお話。三作目では、もう新二は走る、走る、走る。読者の期待に応えて、速く、速く、速く。
三年の新二や連は、最初の頃からするともうほとんど別人のように成長していて、いつの間にこんなに成長したんだろう、と思いつつ、読んでいて違和感もない。本当に成長を描くのが巧いんだと思います。
新二も連も三年なので最後のインターハイで、一走一走が「これで最後かもしれない」わけで、その緊迫感がすごい。特に 4 継と呼ばれる 400 M リレーなどは、どこか一つのバトンミスですべて終わってしまうので、もう読んでる方も心配でならない。結局予選を通過できない種目で泣いて悔しがってる場面では、僕も結構ウルっとしてしまいました。
三冊続けて読んでみて、この第三部は本当にノンストップでした。僕が、書店で買ったその足にデニーズで読破してしまったという事情もありますが、一気に読めたなあ、という印象。面白い本の残りページが少なくなってくると感じる、あの「もうちょっと続き読ませろー」という感覚も久しぶりに強かったです。
そんなわけで、以上三冊で読了。やっぱり話題になるだけあって、最高に面白かった。「2007 年最高の〜」と帯に書いてあったのも、あながち誇張ではないのかも。